どういうことだ説明しろ蟹木!

メンタルダウン療養記

いっそボッコボコにしてみては

うまくいかないことは、自分に何か原因があるはず、何を改善すればいいだろうと考える方向で中学生くらいから生きてきた。

カウンセラーには「自責が強すぎる。環境など第三者のせいではなかったか、考える視点を持った方が良い」と言われた。

そうはいっても、自分に原因がなかったら、絶望するしかないじゃないですか。最初はそう思った。それに、自分に原因がないなんて、おこがましくて、自分に原因があった時恥ずかしいにもほどがある。穴があったら入りたい。そう思うのも嫌だから。

 

大学2年生くらいまでは、これでもなんとかなっていたのだ。

 

 

しかし、周囲に「大人」が増えるにつれ、「保護者の庇護」から外れるにつれ、段々とうまくいかなくなった。

 

「ひどいセクハラを受けたのは、私が飲み会でつぶれたせい。新人で何もできないから、私が会社にヘルプラインで訴えて有能な上司が解雇になったら、会社が困る。なかったことにして忘れなきゃ。次から必ず水と交互に飲もう。」

「痴漢に遭ったのは、私が相手の甘言を信じたせい。次からは知らない人のことは無視しよう。」

「私が書類を間違えて怒られたのは、先輩のいびってやるという悪意に気付かなかったせい。次からは他の人にも確認しよう。」

「うつになったのは、私が明日が来るのが嫌で、睡眠時間を削っていたせい。」

「上司がキツくあたるのは、私に能力がなくて、期待にこたえられないせい。もっと頑張らなきゃ、でもなにを… もう何も自信がない。」

 

んなわけあるかと今なら一掃する。

性犯罪はすべからくする方が悪い。睡眠時間を削ったのは事実だが、何が嫌だったかまで思い出せ。そいつは有名なパワハラ上司、それは自己愛性パーソナリティ障害によくある洗脳手順の典型だろうが。それに上司のやりかたは取引先がドンびいていただろう。どっちを信じるんだ。

 

過ぎたるは猶及ばざるが如しとはよく言ったもので、何でもかんでも他人のせいにするのに比べれば自責は悪いことではないと今でも思うが、やりすぎは毒だ。

世の中には「どんな事情があろうと許されない行動」があるのも事実だし(性犯罪とか)、実際全部を自分のせいにすると視野が狭くなり、私がもともとしたかった「改善」に正しく繋げられない可能性もある。

また、行き過ぎた自責は若い世代に悪影響を残しかねない。パワハラ問題は私が転職すれば私は逃げられたが、それでは若い世代が次のターゲットになるだけ。戦うというコマンドを選んだ結果ボロッボロになってしまったし、結局「政治」の前には無駄だったのだが、「ダメなことにダメだと声をあげた」という生き方の軌跡は私に残った。

 

 

私の好きなWebラジオに、「匿名ラジオ」がある。

YouTubeやWebサイトで毎週木曜に更新されるラジオ。Webライター兼有名ブロガーのARuFaさんと、Webライター兼小説家であり元祖アルファツイッタラーのダ・ヴィンチ・恐山さんのあることないことの掛け合いが楽しいラジオだ。ファンになってもう4年くらいになるだろうか。

あるときそのラジオで、「やさしさと厳しさの交互浴」という企画をやっていた。

youtu.be

 

文字通り、相手の失敗談や悩みに対して、「優しく慰め」るだけでなく「厳しく叱る」ことを交互に行うことで、整う状態になるのでは?という企画だった。(語弊があったら本当にすみません)

 

私は元来ネガティブだ。加えて適応障害。治りも悪い。自責癖もなかなか抜けない。休むことにも自分に明日が来ることにも罪悪感がある。島崎慎吾(およびリアルに島崎的な人)と自分の地獄を比べてぬるすぎて落ち込む始末。そこでいっそ、気のすむまで自分をボッコボコにしたらいいのではと思いついた。そうしたら気が済むのではと。

でも日ごろからボッコボコにしていた上に、周りからもボッコボコにされて病んだんだろ。拍車かけてどうすんだ。かといって、自分を肯定するなんておこがましくて恐ろしい。よくいう自分を認めるとか愛するとか受け入れるなんて到底意味が分からないまま迷子になっている。瞑想すら大失敗して憎悪が増幅する始末。そこで思い出したのが、この企画だった。

ひとりでやってみよう。できるかな。

 

 

お悩み:適応障害の治りが悪い。ぬる~い地獄でかまってちゃんしてるだけなんじゃないの。

 

🌌 ほんとだよ。世の中には島崎的な人だっているのに、蟹木よりずっと勇敢に生きていて、蟹木より具合が悪いのに踏ん張って立っている。それなのになんだお前は。まいにちだらだらと日々を浪費しておいて治りが悪いだ?いい加減にしろよ。治りたくない気持ちが根底にあるんじゃないの。

 

👼島崎的な人は本当に凄いよ。あまたの死線をくぐり抜けたうえで、今も勇敢に戦っている。でもさ、蟹木は島崎じゃない。蟹木にとって重要なのは、休職してるかどうかとかじゃなく、生きて最後まで島崎といれるかじゃん。それは誰にも代われない、蟹木が蟹木であるためのことじゃないの。島崎を孤独にしないこと。それに命を懸けると決めたじゃん。死んでないから丸儲けだよ。治るのが怖いんじゃなく、治った先は怖い。でもこれって、適応障害または疑いのある発達障害の症状の一つじゃん。新しいことが怖いっていうのは。

 

🌌そうはいっても、イライラすんじゃねえの島崎から見たら。日々を浪費するだけの蟹木はさあ。簡単なことすら守れねえんだぞこいつ。早寝するとか。瞑想すら。島崎に何かあった時、金と体力がなきゃ何にも出来ねえぞ。

 

👼それは可能性があるね。だから蟹木は休み方を模索してるじゃないか。本を読んだり、デバイスで可視化したり、カウンセリングに通ったり。男性のカウンセラーに過去の性被害をカミングアウトするのだって、相当傷を負うリスクをとったと思う。早寝とか瞑想とかは確かにそうだね。勉強と仕組み化でなんとかしてみるよ。蟹木は苦手もあるけど、それは得意なんだ。島崎は優しい人だ。彼の言葉を疑うほうが、失礼だと思わないか。体力はない袖は振れないよ。

 

🌌お前は極端すぎんだよ。治った先が怖えなら、転職するまで別グループに転籍すりゃいいんじゃねえの。よく調べろよ。

 

👼まあそれはそうかも。ただ、もっとよくなってからだね。今仕事のことを考えるのは荷が重い。少し外出を増やしていくのはどうかな。半日の外出の回復に2日掛けるのはどうみても働ける状態じゃない。客観的に見てね。まずは1日間隔になるくらいまで、トライ&エラーを続けてみようよ。

 

🌌悠長なことしてる間に島崎に何かあったらどうすんだよ。

 

👼その時こそ過集中の出番でしょ。ギフトだよ。コツコツできない代わりに一発火力はもらったんだ。使いどころだよ。どうせ島崎さんがいなくなった後は余生だ。決めてただろ前から。

 

🌌まあそうだな。

 

結論が出たような出てないような、やっぱりお二人みたいにうまくはいかないな。でも、とりあえず、「最低限生きていれば、ヨシ!」にはなった。

今日は疲れと眠気でポンコツ。生きるためには休むこと。生きていればヨシ。

まだ転職を始めるような時間じゃない。