どういうことだ説明しろ蟹木!

メンタルダウン療養記

WAISの結果について考える

2023年夏、カウンセラーの勧めでWAIS-Ⅳを受けた。

これは所謂IQテストで、4つのカテゴリのIQをはかるもの。

発達障害の診断の参考の一つにも使われることがある(が、これだけで断定することはないらしい)。私の場合、障害有無はいったん置いといて、自分が何が得意で何が苦手か、客観的に把握するために受けてみては?ということで。

 

これはIQの高い低いが大事というよりは、4カテゴリで数字に開きがあると所謂「生きにくい」感じになったりするらしい。

私の場合、総合IQは119で、悪くはない。

ところが4カテゴリの最高と最低に33の差異があり、これは結構な落差。検査を担当してくれた先生が言うには「ここまで開いてるのは珍しいですね」とのことだった。

 

 

✿結果

結果がどうあれ、私はあらゆる自己分析ツールが結構好きなので、面白かった。

16タイプ診断から西洋占星術ホロスコープまでいろいろと手を出しては半端な技能を身に着けている。

 

私の場合、具体的にはこんな感じ。

・総合: 119(平均越え)

・言語理解(VCI):134(なんかめっちゃ高い)※言葉でやり取りする力

・知覚推理(PRI):101(一番苦手)※目で見た情報を推論する力

・ワーキングメモリー(WMI):109(次に苦手)※短期記憶や高等指示理解

・処理速度(PSI):118(ちょっと高い)※手を動かす単純作業

 

色んな人のブログなどをググりまくって仲間探しをしたが、私のように30レベルの高低差がある人は結構いるものの、言語理解が高くて知覚推理が低いというパターンの人は見つけられなかった。珍しいのかな。ここにいるよ!

なお私の好きなYouTuberさんでIQ140の方がいて、その方がどんだけ激烈にすごいか実感するに至った。無理だわこのテストでこれ以上の点を出すとか。思わぬ収穫。間接的に推しのリアリティを得た。

 

✿言語理解の生きにくさ

言語理解、134もあって最高最高最高~!って思うじゃん。そんなことないらしい。

なぜなら、群を抜いて高い・低いということは、それだけ平均から離れるということで、高すぎるなら高すぎるで「周囲と話が合わない」「周囲が考えもしないところまで言葉の意味を受け取ってしまう」などの弊害が生じる原因になるらしい。

言われてみればそういうのはある気がする。コミュ障なだけだと思ってた。悲しきモンスターかよ。

 

✿ギャップが大きいことの生きにくさ

さて、ではなぜカテゴリのIQ差異が大きいと生きにくいと言われるのか。

カウンセラーの先生曰く、言語理解が高いから「総合IQが134の人」と誤解され、レベルの高い集団に放り込まれることが多いらしい。

しかし実際に集団の中では私の苦手な知覚推理やワーキングメモリーも使う。私の総合IQは119なのだ。それで周囲について行けなくて息切れを起こす。

今の職場は、「私には荷が勝ちます」「これはできません(能力的に)」と言っても、「またまた~!できるできる!」「いてくれるだけでいいから!(実際にいるだけでよかったことはない)」みたいなことが多い。これがそうなのかなあ。

今の会社は出向とかいろいろあって中途みたいなものなのだが、めっちゃくちゃ学歴採用だ。周りの人に出身校を聞くと文系最高峰みたいな私立国立がぼろんぼろん出てくる。こういう人たちは、というかこの部の人たちは、多分「総合的に優秀」なのだ。

だから、自分たちが出来て当然のことは私も当然できると思っている。

そんなこと全然ないのに。マイナー大学で専攻を早々に挫折した底辺お情け卒業なんだよ私は…

 

✿意外さ

最初は知覚推理が低いのが意外だった。言語理解が高いのも。

なぜなら私はコミュ障だからだ。仕事でプレゼンするよりも、その前後の会食のほうが本当に嫌で嫌で仕方ないタイプで、毎回食事の味なんて覚えていない。

盛り上げられないのだ。しかも目の前のお客様には満足してほしいから必死に仕事をするが、その人自身に興味があるわけではないので、どうやって会話をラリーしたらいいのかわからない。会話が15分以上続く本とか、私なりにいろいろ勉強したものの、最終的に無理なんだと悟った。過去の会食で私の隣の席だった全員に謝りたいきもちは常にある。楽しくない時間を過ごさせちゃってごめんね…

一方で、プレゼン資料なんかは褒められることが多かった。文章を読むのが苦手なので、「私でもわかる(サル以下でもわかる)」「聞く気がなくてもなんとなく頭に入る」を目標に資料作りを勉強して作ってきた。だからこそお役所みたいな文書が飛び交っている弊社は私にはストレスだ。

だから、逆かなあと思っていたのだが、確かに何か勉強するときは獄寺隼人よろしく本から入るし、図形問題や地図や展開図は生まれ変わってもできる気がしない。

 

✿まとめ

これを受ければ適職とか考えるのに活かせるのかな~と思ったけど、まあ半々かなと言った感じだった。

いいところとしては、諦めがついたところだ。「私は知覚推理とワーキングメモリーが低いから、数字や英語のケアレスミスは仕方ない…」といった風に。

ただそれで日常許されるはずもなく、それを誰でも(私でも)できる仕組み化することがサラリーマンの命題だと思うのだが、「優秀な」周囲はその必要性を感じていないようだった。

仕方なく自分で自分用に仕組みを作ったりしていたのだが、上司に言わせれば「やりすぎ」「完璧主義すぎ」とドン引かれた。

上司はわからないんだろうな。これはやりすぎなんじゃなくて、これがないと私は人並みになれないんです。それをダメだと言われたら、とりこぼしは恐ろしいことになる。

たぶん、そういう人種がいると理解できないのだ。

私としては、かなしいばかりである。